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    DV加害者更正教育プロブラムと彼

    • 2009.06.14 Sunday
    • 09:38
    9月から、私の夫は、DV加害者更正教育プログラムに通うことになりました
    プログラムは、毎週1回、講師(ファシリテーター)の元に数人の加害者が集まり、更正教育を受講するものです。
    少なくとも、1年は通うことになります

    彼の話によれば、そこでは、まずDVが犯罪であり、どんな恐ろしいことであるか、自分達がどんなことをしてしまったか、DVと向き合うことから始まるそうです
    何故そうしてしまうのか、何故そうせずにはいられないのか・・・彼は、理由探しをしたがっていましたが、講師の方は、パートナーにしてしまったことを真正面から見つめ直すことから始めてみえるようでした。
    また、加害者が再び被害者にDVをしないように、タイムを取る練習をしたりしていました。
    しかし、この最初の段階でDVについて理解したつもりになり、タイムも取れるから大丈夫だとやめてしまう加害者もいると聞きました

    プログラムに通い出して、大きく変化したのは、普段の彼の表情でした。
    通う前は、出会った頃の優しい穏やかな雰囲気は薄れ、いつもピリピリしているような、目も底光りしているような、暗い顔つきが多くなっていました
    しかし、表情が明るくなり始めました
    ご機嫌になり、穏やかな彼に戻ってくると同時に、父親を恐がっていた子供も懐くようになり、彼はますます明るくなりました
    プログラムの効果がすぐに現れて、私は驚いていました

    しかし、彼が安定してくると、私の中で大きな嵐が起こり始めました
    今まで我慢していたものが噴出してくる感じでした
    彼への怒りと悲しみと恐怖が、抑えられなくなり、夜も眠れなくなりました
    今度は、私が爆発するようになってしまったのです
    私は、そんな自分がとても嫌でした
    爆発されて嫌な思いをすることは、私自身が一番よく知っていることだったからです。
    私が爆発すると、彼は泣いて謝ります
    それが、また辛くてたまりませんでした。
    彼と私の立場が逆転してしまい、このままではいけないと思いました。
    センターの講師の方に相談すると、別居を勧められました。
    私達は、2週間の短い別居をすることにしました。

    別居して、とてもびっくりしたことは、自分の体調の変化でした。
    嘘のように、体が軽いのです
    肩の力が抜け、首の後ろに張り付いていた緊張感が消えていました
    信じられないくらい薬もよく効いて、夜もよく眠れるようになりました。
    ずっと読めなかった、少し字の多い本も読めるようになりました。
    ずっとなかった食欲も、戻ってきました

    本が読めるようになったことで、私は自分自身に起きていることを勉強しようと思いました。
    彼のことも知りたいと思いました。
    「脱暴力のプログラム 男のためのハンドブック」(著 ダニエル・J・ソンキン マイケル・ダーフィ 訳中野瑠美子)
    を読んでみました。
    プログラムを受講し出すと、ハネムーン期のような穏やかな時期が訪れること
    そして、その穏やかさに安心して、初めて被害者の感情が爆発すること
    これは、当たり前のことが起きているのだと・・・安心しました

    ハネムーン期というのは、DVの特徴であるサイクルの一つです。
    DVは、緊張→爆発→ハネムーン期を繰り返します。
    ハネムーン期は、爆発した彼が、心から謝罪したり、私の好物を買ってきてご機嫌を取ったり、仲直りのセックスをする時期でした。
    このサイクルが段々短くなり、最終的にはハネムーン期がきても、被害者が心の休まる状態でいなくなることは、経験済みです。
    何故なら、プログラムを受講する前から既に、彼は「仲直り」のつもりでも、私には、彼がまた爆発するのが恐くて、ひたすら早く終わることを祈る時間が、セックスでしたから。
    現在は、彼がいつもハネムーン期に買ってきてくれた好物は、一口も食べられなくなりました。
    胃が痛くなり、吐き気がして受け付けないのです

    2週間の別居を通して、私が取り戻したものは大きかったです。
    それは、安心と安全でした
    彼のことを考えなくていい、彼のことを気をつけなくていい、彼のことを恐がらなくていい、彼のことを心配しなくていい、彼が望むことをしなくていい。
    ようやく笑顔が戻ってきた気がしました。
    その頃、ちょうど無料配信で見られた、ベニーケイの「スカイ」のプロモーションビデオをよく見ていました。
    力強い歌声と、メッセージ、彼女達の瞳の力、美しい空の映像
    そして、歌詞
    私は、何度も何度も再生しながら思いました。
    ・・・本当だ。もう、自分にリセット押したくないよ・・・。

    2週間後、彼は戻ってきました。
    私達と再び一緒にいられることが、とても幸せそうな満面の笑顔でした
    私は、彼のそばにいて、彼を見守ろうと決意しました。
    私さえしっかりしていれば、彼といても、もう大丈夫だと信じていました

    残念ながら、すでに、私は私自身が、彼による彼のためのロボットになっていることに気付いていませんでした
    生きている人間をロボットにしてしまうのが、DVだと気付いたのは、ごく最近です。
    そりゃ、人間をロボットにしちゃうんだから、身体や心が壊れるよなあーと、思います
    こんな目に遭っていても、私のプログラムは彼の不利になることは拒否するので、いつも彼ではなく自分を責めるスイッチが入ります。
    ううっ、こんなスイッチいらない!!と、思っても、どうにもできないのです
    次回は、こんな状態の私を救ってくれたものか、私も最近まで気付かなかった彼の特権意識についてか、どちらかを書きたいと思います
















    DV加害者更正教育プログラム受講中の彼と、何故別居?

    • 2009.06.16 Tuesday
    • 09:17
    彼が、DV加害者更正教育プログラムに通うことにより、一週間の流れが決まってきました。
    週に一度のプログラムから帰ると、彼の状態は安定し、私達の生活も穏やかなものになります
    しかし、プログラム前日くらいになると、彼は暗くなったりイライラして威圧的になります

    私は、プログラムの講師の方に、
    「彼を、もう察しないようにして下さい。彼は、言葉で伝える練習をしなくてはいけません。自分の気持ちや感情、考えをきちんと伝えることを覚えなくてはいけないのです」
    と、助言されていました。
    彼は、私が、察しないことに不満を抱えていました
    しかし、彼自身も察することを求めるのではなく、自分で私に伝える努力をしなければいけないと分かっていました
    かろうじて爆発は免れていましたが、緊張状態は続いていた、そんなある日・・・。

    彼が、子供に直接、精神的DVをしました
    二人きりの車中で、30分以上、泣き叫ぶ子供を威圧し、危うく殴りつけようとしたと言いました
    理由は、子供のために良かれと思ってしようとしたことを嫌がられ、抵抗されているうちに、
    「お前のためなのに!何で言うことが聞けないんだ!!」
    と、イライラムカムカして、カッとなり、睨み付けたまま、拳を握り締め、閉じ込めて泣き叫びさせたというものでした
    私の油断でした
    子供には直接したことがなかったので、つい、二人きりで外出させてしまった、私の認識不足でした

    子供は、その日から、彼を恐がり、私から離れなくなりました。
    夜は、毎晩、吐きました。
    明け方は、引きつけを起こして、絶叫しました

    「イヤーイヤーイヤーイヤーーーーーッ!!」
    その叫び声に、彼はむせび泣き、耳をふさいでうずくまっていました。
    別居を考えましたが、周囲に反対されました。
    理由は、
    「恐いからって、逃げてばかりじゃ、大人になった時に問題に立ち向かえない人間になってしまう」
    「父親をそこまで拒絶する方がおかしい。親が子供を怒るのは当然のことで、親を恐がる面があるのが普通だ」
    「結局、母親の病気による影響を受けて、神経過敏になってるのだから、むしろ母親と引き離してみてはどうだろう。母親による過保護、過干渉だ」
    でした。

    私は、震えて泣く子供を抱き締めて、考えました
    彼は、とても反省して、子供の好きなお菓子やおもちゃを買ってきて、謝ります。
    でも、子供は彼を恐がります。
    子供は食欲が落ち、痩せてきました。
    思い切って、保護施設について公共機関に相談してみました。
    しかし、身体的暴力に遭って、命の危険にさらされている方しか紹介できないと断られました
    精神的に魂の危険にさらされていても、助けてくれる人も場所もないのだと・・・思いました

    私は、決意しました。

    働いていた頃のわずかな貯金を下ろし、子供に言いました。
    「楽しい所へ行こう、二人でお出かけちゃおう!」
    子供は、キョトンとした顔をしていましたが、ふいに嬉しそうに少し微笑みました。
    「・・・たのしいところ?あのね、イルカさんが、みたい・・・」
    「よし、イルカさんのいる所へ行こう!」
    私は、鞄に荷物を詰め込んで、子供の手を引き、置手紙を残して家を出ました。
    電車に乗ると、子供は私の膝の上でウトウトし始めました。
    その目に、うっすらと涙が浮かんでいます。
    「・・・あのね、おとうさんのえがおが・・・だいすきなの・・・
    「・・・うん」
    私は、涙を堪えて頷きました。
    「・・・でも、こわいおとうさんは・・・いやなの・・・
    「・・・うん、そうだよね」
    私が、子供の痩せた頬を撫でると、
    「・・・おとうさん、また・・・わらってくれるかな・・・
    子供は、呟きながら目を閉じました。
    「・・・うん、笑ってくれるよ」
    私は、涙があふれ出そうになり、必死に堪えました。
    ごめんね、お母さんがしっかりしていなかったばかりに・・・。こんなに悲しい目に遭わせて
    大好きなお父さんに恐い思いをさせられて・・・本当にごめんね
    ギュッと抱き締めていると、駅から賑やかに乗車してみえたグループの女性が、
    「まあ、可愛らしい、子供さん。お母さんの腕の中でスヤスヤと・・・いいわねえ、何の苦労も心配もない時期で、一番幸せな時よねえ」
    と、微笑みました。
    そうなんです、そういう時期のはずなのに、苦労も心配も山ほど抱えてしまったのが、我が子なのです。
    私は、耐え切れず、顔を背けて泣いていました

    水族館でイルカを見て、私達は、ホテルへ泊まりました。
    子供は夜になると、家に帰りたがりましたが、泣くのをあやして抱いているうちに、スヤスヤと眠りました。
    その夜は、吐きませんでした。
    また、明け方の絶叫もありませんでした。

    彼からは、メールが届きました。
    「誰もいない暗い部屋で、一人震えています。ごめんなさい。帰って来てください
    正直、
    「震えてろッ!!暗けりゃ、電気つけとけッ!!」
    と、突っ込みを入れてサヨナラしたい気分でした
    しかし、翌朝になると、スッキリした明るい表情の子供が、
    「かえろう、おとうさん、まっているよ。きっと、えがおのおとうさんに、なっているよ
    と、私の手を引きました。
    「えー、お母さん、帰りたくない
    「かえろうよ、おうちがいいよ。ほてるは、また、こよう
    いや、ホテルに頻繁に泊まるお金、ないし・・・つーか、ホテル、気に入ったんだと驚きました。
    さすが、現代っ子だなあ、と、思わず吹き出してしまいました
    「イルカ、会えて良かったね。すごく綺麗で優しい目でさ。お母さん、何か癒されたっていうか、元気出たよ
    「うん。かわいかったね。やさしかったね
    「イルカセラピーって、言葉あるくらいだから、効果あったのかも知れない。来て良かったね
    「うん。またこようね
    私達は、ホテルを後にして、帰宅しました。

    彼は土下座して、子供に謝りました。
    もう二度としないと誓いました。

    その数ヶ月後、彼は、今度は子供を無視しました。
    その時は、周囲の反対を押し切り、別居しました
    寂しがり泣く子供が可哀想で、2週間で別居をやめました。

    その数ヵ月後、彼は、今度は子供を威圧し、無視しました。
    理由は、私に言うことを聞かせたいのに聞かないから、子供を使って言うことを聞かせようしたら、そうなってしまったと言いました。
    プログラムが終わるまでは、別居することを決意しました
    子供は寂しがりましたが、週末は会えるよ、と言うと安心しました

    私の決断が遅れたために、子供にまで心理的に負担をかけてしまい、本当に申し訳ない思いでいっぱいです。
    DV加害者更正教育プログラムを受講するDV加害者とは、別居するのが一番理想的ということを、身を持って知りました。
    何故、別居すべきか?
    それは、プログラムにより、加害者が向き合いたくない自分と向き合わなくてはいけなくなるからです。
    理想の自分ではない、自分を直視しなければならないからです。
    このことは、加害者には相当のストレスであり、苦痛でしょう。
    「違う、本当の俺は、強いんだ、すごいんだ、王様なんだ!
    と、抵抗して、コントロール可能に仕上げた対象をさらに締め付けて、
    「ほら、こいつは俺の言うことを聞く!やっぱり、俺はすごいんだ!」
    と、安心したいのかも知れません。
    ああ・・・すごく迷惑ですよね
    そのまんまでいいやーん、弱くても、すごくなくても。
    強いところも弱いところもあるのが、人間です。
    すごくなくても、彼の素敵なところをパートナーは既にちゃんと見つけているのです。
    だから、一緒にいるのです。
    王様は、要りません。
    いや、君が王様なら、こっちは女王様
    お互いに権利ばかり主張しても、ギスギスしてつまらないです。
    凡人でいいから、つーか、それがいいから、話し合ったり、気持ちを伝え合ったり、喧嘩しても仲直りできる、関係がいいです。
    枠や壁や鎧は、自分のプライバシーを守るくらいは必要だけど、自分を大きく見せるためとか、プレッシャーを与えるためとかは、要らないです。

    そうそう、長期の別居を決意した私に、彼が伝えた言葉を紹介します。
    「俺だって、何回も謝っているじゃないか、家事の手伝いだってしているだろう、そりゃ怒りたくなる時だってあるよ!」
    彼がしてくれていることに感謝の気持ちもありますし、怒りたくなる気持ちも理解しています。
    私の返答は、
    「私は、家事・育児の協力はとても感謝しているけど、そもそも家事できないくらいの病気にしたのは、DVです。
    育児に関しては、今しか小さい子供と関われない貴重な時間を過ごしていると考えて欲しいです。
    それから、怒ることが悪いのではなく、怒る対象が小さい子供、しかも私をコントロールしたいためっていうのが、私は腹が立ちます。
    何回も謝っても、同じこと繰り返すなら、私は謝罪しても反省していないと考えます」
    彼は、
    「俺だって傷ついて、こうなったんだよッ!
    と、訴えました。

    ・・・俺は傷ついているんだよ・・・とても可哀想なんだよ・・・優しくしてくれよ・・・構ってくれよ・・・俺のことだけを愛して大事にしてくれよ・・・だって、俺すごく可哀想な奴なんだよ・・・攻撃
    さんざんその攻撃にほだされてきてしまった私だけど、ごめん、もうその攻撃は効かないんだ。
    だって、私はあなたに傷つけられたけど、だからと言って、他の人をコントロールしてその傷を埋めようとは考えないもの。
    私は、あなたのその考え方は間違っていると思う。だから、
    「てめえの傷ぐらい、てめえで治す努力してみろッ!!そうやって努力すれば、必ず出会いがあって人は助けてくれるものなの!最初っから、甘ったれんなッ!!君は、もう子供じゃないんだよ!!」
    なぁーんて、偉そうに言ってみたいものですが
    私も未熟人間なので、まだまだ彼に威張れません・・・
    っていうか、そう怒鳴る気力がなくなってしまったのが、現在の正直なところです。



















    DV加害者更正教育プログラムについて彼の感想

    • 2009.07.06 Monday
    • 20:59

    今日は、彼から聞いたDV加害者更正教育プログラムについて、書きたいと思います。
    前にも書きましたが、DV加害者更正教育プログラムは、そもそも、DV加害者の更正こそが、DV被害者のためになる、という前提の下に行われています
    ですから、DV加害者を甘やかすものではありません
    DV加害者を擁護するものでもありません
    DV加害者が、離婚しても、離婚しなくても、二度とDV行為をして被害者を苦しめないように、また、新たな被害者を作り出さないように、更正する必要があるから為される教育なのです
    間違って覚えてしまったことを、もう一度正しい方法を教え、こういうやり方でも人は生きていけるし、こういうやり方の方が人は幸せな良い関係を築けるのだよ・・・と、示すものだそうです
    子供と彼を見ていると、今、子供が保育所で学ぶことを、今、彼はDV防止教育センターでやり直しているような気がしてなりません
    小さい子供は、他人の都合を気にしないことが多いです
    例えば、食べたいとなったら、屋台で並んで順番を待つことを愚図って嫌がったりします。
    他の人もお腹が空いているとか、順番をきちんと待ってみえる方が先にいたのだとか、そういうことはお構いなしで、泣き叫んだりします
    また、転んで膝をすりむいたりすると、怪我をしたと、一生懸命アピールします。
    同じように転んで、もっと大怪我をした子がいたとしても、自分の怪我の方が一大事です
    大怪我をした子を先に診たり、構ったりすれば、ますます自分のすり傷をアピールして大騒ぎします
    しかし、そういう子供も、段々覚えていきます
    世界は自分を中心に、自分しか存在しないように思っていたけれども、他の人もいるんだな。同じようにお腹が空くんだな。自分と同じように怪我をすれば痛いんだな。皆、生きているんだな。
    少しずつ、他者への思いやりが育ちます
    少しずつ、自分と他者の違いを認識していきます

    例えば、大好きな友達に、自分の大好きなスイカをあげます
    子供は、自分がスイカを大好きだから、友達も大好きだと思ったのです
    しかし、友達はスイカが嫌いでした。なので、
    「いらない
    と、断られます。子供は、最初戸惑います自分が好きなものなのに、どうしていらないんだろう?
    「あげるよ
    しつこく、あげようとします。友達は嫌がります。
    「いらないってばっ!
    「あげるってばっ!
    子供は、嫌がる友達に怒ります。どうして好きなものをあげるっていうのに、要らないなんていうの?
    友達も、怒ります。どうして嫌いなものを無理やりくれるんだよ、要らないのに!
    そして、喧嘩になります
    しかし、段々成長するにつれて、理解するようになるのです
    子供は、自分はスイカが大好きだけど、もしかして友達は好きじゃないのかな?と、思えるようになります
    友達は、自分はスイカは食べたくないけど、あの子はとてもスイカが大好きなのかな?だから、大好きなスイカを・・・大好きな友達にも分けてあげたいと思ってくれたのかな?と、気付くようになります
    子供は、言います。
    「スイカ、すき?いっしょに、たべる?」
    友達は、言います。
    「スイカ、たべない。ごめんね」
    「なになら、たべられる?」
    「ええっと、みかん、かな」
    「えー、みかん、にがて」
    「じゃあ、ぶどうは?」
    「あっ、ぶどうはすき!」
    「じゃあ、こんどぶどうたべようか?」
    「たべよう、たべよう!!」
    「えへへへへ」
    「いひひひひ」
    まあ、理想過ぎますが、子供は、こんな感じで学んでいるようです
    もちろん保育所の先生の導きが一番大きいでしょう
    私自身も、親として関わりを持ち、子供にアドバイスすることもありますが、子供達がお互いのコミュニケーションを通して学んでいくことの方が、ずっと多いと思います
    彼を見ていると、子供と同じです
    瀕死の重態の人がそばにいても、自分のかすり傷を見てくれと、大騒ぎする自己中心性
    他者への思いやりの欠如
    自分を省みない、自己愛の強さ
    そのくせ、注目をしてくれないとこの世の終わりのように地団太を踏んで癇癪を起こし
    褒められることのみに執着し、叱れると敵意むき出しで噛み付いてくる
    子供は、まだまだこれから学ぶ存在であり、なんといっても幼い愛らしい存在なので、許容できるところがありますが
    大人の・・・成人の人にやられると・・・困りますよね・・・
    彼の話では、DV加害者更正教育プログラムで行われることは、正に保育所で子供が学ぶことをもう一度やり直しているようなものだそうです
    彼が一番、びっくりしたことは、DV防止教育センターの講師の方が、
    「俺にね、あなたはダメ人間ですって、決して言わないことなんだ
    だ、そうです。
    「あなたのしたことは良くない、悪いことです、いけないことですって、いう言い方はするんだけど、絶対に、あなたはダメだ、あなたは最低だって、言わないんだ。だから、俺は続けられているんだろうなって、思う
    俺はやり方を間違ってしまっているだけで、違うやり方を身につければ、生き直すことができるのかも・・・奥さんや子供に償いができる人間になれるかも・・・って、思うことができるんだ。そう思うと、すごくやる気が出るし、諦めずに続けようって、強く思えるんだよ
    彼は、DV加害者更正教育プログラムを受講しているうちに、自分がしてしまったDV行為の恐ろしさをまざまざと思い知るようになったそうです。
    「色々なプリントを声に出して読んだり、ビデオでDV行為を見たり、被害者の人の話を聞いたり、台本を読んで色々な配役でDV行為を演じてみたり、そうすることで、ああ・・・同じようなことを俺も奥さんにやってしまっていた、とか、言っていた、とか、思い出して気付くんだよね奥さんの辛さの一部分だろうけど、嫌な気分とか恐い気分とかも、味わうし奥さんの痛みが見える時があるそういう時、心から何て自分はひどい人間なんだ、ひどいことをしたんだ、申し訳ないって、思うんだよ
    DV防止教育センターの講師の方は、既存のプログラムを改良されたり、個々に合わせたプログラムやアドバイスを用意して下さるそうです
    彼は、
    「自分で考えてみて下さい」
    と言われるのが、苦手です。今まで、そういう機会がなかったからです。そして、そうしなくても生きてこられたからです。
    講師の方は、彼には具体的なアドバイスを心掛けて下さるそうです。そして、彼が慣れてきたら、
    「では、次はどうしたらいいと思いますか?」
    と、投げかけて、彼に思考することを覚えさせてくれているそうです
    大変なお仕事だな・・・と、彼の話を聞くだけでも思います
    「正直、自分自身と向き合うのは、嫌だったよ。目を逸らしていた自分の苦手な、嫌な弱い自分を見つけて受容していくことだから、辛いよ。でも、どんな自分が出てきても、講師の方は、俺をダメ人間扱いしない。こんな俺でも、いいんだ。こんな俺でも、やり直せるんだって、思うと、頑張れる
    彼は、そう言って、力強く頷きました。
    良い講師の方に巡り会えて、本当に幸いだったと思います
    講師の方と、私もメールでやり取りしたり、直接会うこともあります
    プログラムを受講しているパートナーからの情報は、講師の方にとっても、とても重要なものだそうです。
    DV加害者の変化に一番敏感なのが、DV被害者だからです
    パートナーの話を通して、プログラムの進み具合が理解できることもあるそうです。
    しかし、私が講師の方と情報のやりとりをしていることを、最初、彼は快く思っていませんでした
    私が講師の方に相談していたのは、自分の心の変化に戸惑い、アドバイスが欲しかったからなのですが、彼は自分の悪口を告げ口されていると思ったようです
    「講師は、絶対に奥さんのことを悪く言わない。何が二人の間に遭ったって話しても、俺の捉え方や考え方や、アプローチの仕方が悪いって言う
    と、不満をこぼした時もありました。
    「奥さんの味方しかしないんだ!
    と、憤った時もありました。
    その頃の彼は、私が講師の方に告げ口をしたからだと、思っていたようです。
    自分を省みず、そう思うことで逃げていた時期が、彼にはありました。
    しかし、今は変化してきましたように感じます
    昨日、こんなことが、ありました。
    DV防止教育センターの活動を紹介したテレビ報道番組を見た感想を話していた時のことです。
    彼は、言いました。
    「特集の最後に、アナウンサーの人が、”DV被害者はもちろん、DV加害者も苦しんでいるのが分かりましたね。早く苦しみから抜け出せるといいですねみたいなことを言っていたけど、奥さんみたいな人に失礼だよ
    DV加害者の苦しみと、DV被害者の苦しみを一緒にしちゃいけない
    それじゃあ、俺と同じじゃないか
    DV加害者は自分が苦しいからDVするんだ
    プログラムを受けていれば、余計にそうなんだ
    自分の心の葛藤が苦しいから、DVしちゃうんであって、やられる奥さんや子供には罪はないのに
    あんな言い方したら、DVの関係は、どちらにも責任があり、どちらも被害者で加害者って、取られることにもなりかねない
    俺、すごくあの言い方には、引っ掛かりを感じたよ
    取材した人が、講師に、テレビ局の中にも”DVはやられる方にも問題がある”という意見が多かったって、こぼしたそうだけど、みんな間違っている
    今、俺、すごくそう思う誤解されて、奥さんがかわいそうだ
    ごめんね、俺のせいで・・・ごめんね・・・俺、絶対にプログラムやり遂げるから
    別居して、プログラムを受講していることで、何かが彼の中で動き始めたのだとしたら、それは素直にいいことだと思います。
    彼自身のために、彼が対等な関係で生きる方法を獲得していくといいな・・・と思います。

    今日、一年前に投函した、「時手紙」が届きました
    一年前、訪れた近くの観光地に、一年後、五年後、十年後に届く、未来への手紙というコーナーがありました。
    私は、両親宛と、私達夫婦宛に、書きました
    その頃は、DVと分かり、カップルカウンセリングを受け始めた頃でした
     
    「もしも無事に この手紙を読むことができたなら、あなた達によく頑張って乗り切ったね、と伝えたい。
    これからも色々なことがあるだろう。
    しかし、もうあの地獄のような深海の底に沈むことはない。
    二人ともそこへいかない方法を見つけて前進しているのだから。
    よくやったね。
    色々あったね。
    たくさんの人にありがとうだね。
    お互いにありがとうだね。
    1番のありがとうは、自分自身にだね。
    ありがとう。
    2008年6月29日」
     
    この手紙を投函してからも、本当に色々なことがあり、地獄のような深海の奥底に・・・再び叩き落されたのではありますが
    それでも、この手紙を出して、良かったです
    今の自分への最高の贈り物になりました
    本当に、ありがとう、です
    ありがとうございます
     








    DV加害者更正教育プログラム受講中の彼の変化

    • 2009.07.17 Friday
    • 23:46

    夫が、DV加害者更正教育プログラムを受講し始めたのは、去年の9月です
    8月の二回の面談後、9月より本格的に始まりました。
    毎週一回、通っています。
    8月の面談直後は、
    「俺、本当にDVしていたんだね。ごめんなさいっ!!
    と、平謝りを繰り返す彼でした。
    当時は、何故か、明るい爽やかな笑顔が多かったです。
    「カップルカウンセリングでは、俺、DVじゃないのかなあ・・・と思っちゃうところもあって。だけどそれなら、どうして俺は奥さんにひどいことをせずにいられないんだろう・・・って、そこをハッキリしたかったんだ。だから、DVですって、専門家にハッキリ言われて、むしろスッキリした
    とのことで、清清しい笑顔で言っていました。
    彼も、自分自身をどうにかしたいと苦しんでいたことは確かだったかも知れません。
    9月は、彼が穏やかになったことに安心して、私が彼への怒りと恐怖が噴出してしまい、短期別居をしました
    別居を嫌がる彼が、私の心身のために短くても別居を受け入れてくれたのは、プログラムのおかげだったと思います
    10月。彼はプログラムを真面目に受講していましたが、
    自分の趣味の遊びの計画に夢中になると、邪魔をするな・・・と、私を威圧するところは変わっておらず、精神的DVは未だ存在することを思い知らされました
    11月。彼と話し合いをしました。
    大きな爆発はなくなっていたものの、精神的DVは消えておらず、本当に悪いと思っているのか、プログラムを受けていればいいや・・・という軽い考えではないのか、私は問いたださずにはいれない状態でした
    彼は、泣きました。
    「俺、犯罪者だもんね・・・
    彼がそうやって泣くと、私は苛めているような気持ちになって、何も言えなくなり、最後は謝ったり慰めたりするパターンだったのですが。
    その日は、違いました。猛烈に腹が立ち、
    「自分のしたこと泣くくらい分かっているなら、繰り返さないでよ」
    私は、静かな口調でしたが、キッパリと言いました
    彼の涙は、ピタリと止まりました
    暗い目つきで私を睨み、長い無視の時間が始まりました
    翌朝まで、無視は続き、子供まで無視をしました。
    そして、イライラと歩き回り、大声で喚き散らしたため、私と子供は抱き合って震えて泣いていました
    施設の紹介を依頼しましたが、断られてしまったため、ホテルへ一時避難しました。
    子供がお父さんを恋しがり、帰宅しました。
    彼は、猛反省をして、誓いを立てました。
    「二度とDVはしません!
    12月は、家出したことが効いていたのか、穏やかな日が多かったように思います。彼は、年末年始のこだわり(車の掃除・散髪・すべての窓を拭くこと・新品の下着で元日を迎えること)をすべて果たすことができて、とても満足そうでした
    1月は、また、
    彼の様子がピリピリするようになってきました。
    どうも、職場の上司と折り合いが悪く、イライラを家庭に持ち込み始めたようでした
    私は、彼の話を聞いて、彼が少しでも心が穏やかになるよう努めていました
    私はその頃、DVに関する本を読み漁るようになっていました。
    その中の一冊、DV被害者の方の声を集めた本を彼に見せました
    「俺は、こんなひどいことはしていない
    彼は、パラパラと読んで、言い放ちました。
    「私は、読んでいて思い当たることがいっぱいあったよ」
    「・・・だから?何?
    彼が、冷たく暗い目で、私を睨みつけました。それだけで十分でした。私は涙が止まらなくなり、腰を抜かして震え上がりました
    「・・・ちくしょーっ!また、やっちまったっ!!
    彼は、自分で自分の額を殴り、すぐに私に謝ろうとしました。しかし、私は近づく彼から、這って逃げ回りました
    そして、その数時間後。彼は、子供に言うことを聞かせようと、大声で叫び、髪を掻き毟り、たくさんの恐怖を与えてしまいました。
    また、別居をしました。
    この頃から、私は、本格的にDVカウンセリングを受け始めました
    2月は、また、彼の反省時期であり、穏やかな日々が訪れました。
    3月は、私の祖父の一周忌がありました。
    彼は、とてもプレッシャーを感じていました。
    そういう改まった席に出るとなると、一段と、服装や態度、子供の躾けなど、外側からの評価が気になって気になって仕方ないそうです。
    前日の歯医者の予約も、プレッシャーだったそうです
    本当は歯医者が恐くて行きたくないのに、私にそう言えなくて、結局行って・・・無事に終わったけど歯石取るのは痛かったし、一年後にまた来て下さいと、言われたことも、えーまた来るの?と、とても嫌で。
    でも、情けないとか思われたくなくて、私に言えなくて。
    むしろ、奥さんがどうして自分の恐怖や嫌な思いを察してくれないのか・・・と、不満に感じていて
    奥さんの身内の一周忌に出るのに、奥さんの俺への気遣いが足りないんじゃないか?と、ムカムカしてきて
    一周忌当日の朝。彼は、私を無視したあげく、私を傷つける嫌味な言葉をわざわざ発言しました
    たまたまその現場を見た、私の兄弟が、彼に詰め寄り・・・私は泣きながら暴力沙汰にしないよう必死に訴えました
    彼は、しばらく一人で姿をくらましていましたが、4時間後に戻って来ました。
    彼を心配して、どうしたらよいのか分からず、DV防止教育センターの講師の方に電話していた時、彼が戻りました。
    彼は、講師の方に、
    「胸倉を掴まれました
    と、話しました。
    講師の方は、
    「そういうことはありますよ。今、起きていることは、今まであなたがしてきたことがすべて、返ってきていることなのです。あなたは、受け止めなくてはいけません」
    と、静かに諭されたそうです。
    4月。ようやく、彼が少し変わり始めたかな・・・と、思うようになってきました。
    本当にささやかなことなのですが、例えば。子供を思い通りにしようと、イライラしなくなったとか。家にいても、リラックスした表情でくつろいでいる感じがするとか。DVの本も、彼から自主的に、積極的に読むようになってきました
    しかし、5月。
    彼は、自分がDVを克服しつつあると油断した・・・と、後に言いましたが、その油断がどんどん事態を悪い方へ悪い方へ引き寄せていきました。
    仕事が変わったこと、不景気で残業が減り、彼のこだわりである「稼いでいる」という自負心が揺らぎ始めたこと
    それらの不安や苛立ちを家庭に持ち込み、ぶつけるようになり始めました
    怒りを抑えた暗い目つき。
    子供に笑顔で優しい言葉をかけているのに、決して笑わない目。
    時々、拳を振り回し、ふぅーーーーーーーーーーっと、付くため息。
    私が注意すると、睨み、無視をする
    2週間繰り返され、とうとう、彼はまた、子供に矛先を向けてしまいました
    6月は、彼が心底反省し、別居を申し出て、別居しました
    7月。今のところ、週末会うだけの生活にお互い慣れてきたかな・・・というところです

     
    振り返ってみると、彼のDV行為が、DV加害者更正教育プログラムを受講中でも、なくなっていないことは明白です。

    身体的暴力に移行することは防げられたこと、また、彼がDV行為を正当化しようとしても、講師の方がそれを決して許さなかったので、その都度深い反省と熟慮を求められたことは、とても大きいと思います
    彼が、プログラム受講中でも、私や、私をコントロールするために子供にDV行為をしたのは、彼の特権意識への執着心の現われです
    職場で何かあった、歯医者が嫌だった、一周忌が緊張する、子供が散らかすのが気になる、という日常のことから。
    プログラムで向き合わないといけない等身大の自分の姿、獲得しないといけないコミュニケーション方法の困難さ。
    そういうことに直面した時
    彼は、甘えたくなるのです
    私に
    彼は、私に無条件に甘えていいと思っています
    私が彼に甘えていいのは、彼が、寛大に許した時だと、彼が、決めているのに
    彼は、いつでもどんな時でも、どんなことでも、甘えていいのだと決め付けているのです
    だから、そうさせてくれないと、腹が立ちます
    許せないのです
    また、彼に対して、私がDV行為について怒りを表現しようとすると、必ず、態度が変わりました。
    本当は、彼にとって、私の怒りは受容しなくてはいけないとても大切なプロセスだそうです
    DV加害者にとっても、DV被害者にとっても、とても重要なことだそうです
    しかし、これが一番、DV加害者は嫌です
    自分が一番偉く、一番強く、一番傷ついて、一番癒されなくてはいけないのに
    どうして、怒られなくてはならないのか
    しかも、俺よりも、ずっと、下に位置づけてきた、お前に!!
    だから思い出すと・・・彼が不機嫌になり、必ず精神的DVをしたのは・・・
    私がDVのことを話題にしたり、怒りを向けた時がダントツだったなあ・・・と、思うのです
    振り返ってみて、一番辛いのは、私達夫婦に振り回され巻き込まれている子供だと、改めて思い知らされます・・・
    歯医者が嫌だと、彼が言えなかったのは、私に、
    「男のくせに情けない。ホント、気が弱いよね」
    とか、
    「うそー、歯医者何か恐いの?幻滅ぅー」
    とか、言われたらどうしよう・・・恐いよ、嫌だよ・・・とグルグル考えたからだそうです
    歯医者も注射も雷も恐くて、いいじゃんって、心底思いますよ
    いや、マジで
    恐いものを恐いと言わない、そこを意地を張って踏ん張るのが、男の美学だというなら、それでもいいです。
    歯医者が恐いことを隠すために、人に暴力を振るうことを選択することは、人間として恥ずかしい、情けない行為です。
    私は、その方が、情けなくて弱くて、幻滅ですぅー






    DV加害者更正教育プログラムについての彼の感想

    • 2009.07.31 Friday
    • 22:37

    子供が、どうしてもお父さんに会いたいと泣きじゃくり、負けてしまいました
    いつもなら、彼は土曜日の朝から来るのですが、金曜日の仕事帰りから、家に来ました
    夫と、子供は、ラブラブで上機嫌です
    私だけ、どんより暗いモードになりそうなのを堪えております
    実は、彼が一日早めに来ると考えただけで、昨晩はあまり眠れませんでした
    子供が喜べば喜ぶ程、はしゃげばはしゃぐ程、正比例して私の気分は重くなり暗くなり、夕方は少し寝込みました
    子供の喜ぶ様子を見て、同じように喜んであげたいのに・・・無理なようです。
    彼は今、落ち着いていてとても優しいのです
    だから、子供は、嬉しくて嬉しくて、とても懐いて慕っているのです
    が、私は・・・優しい彼さえ怖いのです
    いつもDVサイクルの優しい時期の後・・・緊張と爆発が待っていたからです
    今まで容赦なく、その嵐は訪れていました
    また繰り返されるのではないかと・・・恐怖がまとわりついて離れないのです
    その恐怖を仕方のないことなのだと受け入れることは、果たして人間として許されることなのかどうか。
    努力している彼に対して、失礼に値しないだろうか。
    悩む自分がいます
     
    さて、DV加害者更正教育プログラムを受講し、別居をして、頑張っている彼ですが
    彼のプログラム受講のきっかけについて、知りたいという方がみえました。
    その方は、私に
    「どうやって、説得し、導き、罪を認めさせたんですか?」
    と、聞かれましたが・・・私は彼に影響を与えることができたのは、DV防止教育センターの講師の方だと思っているので、答えることができませんでした
    そこで、彼に聞いてみました。
    「DV加害者更正教育プログラムを受講しようと思ったきっかけは何ですか?」
    「1番の要因は、奥さんの病気の具合が良くなると爆発して、また具合を悪くすることを繰り返す原因を知りたかったからです
    「DV防止教育センターの面会の予約を入れることができたのは?」
    「奥さんが教えてくれたここなら、答えが分かるかもと思ったのからです
    「DV加害者更正教育プログラムを続けられるのは、何故だと思いますか?」
    「奥さんと子供に申し訳ない思いと、三人で暮らすために変わらなければと思っているからです
    「やめようとか、嫌だとか思ったことはありますか?」
    「あります。自分がひどい人間だと分かった時など、やめたくなりました
    「DVをしている自分自身認められたのは、何故だと思いますか?」
    「DV防止教育センターで、繰り返し話をして、色々気付いたからです
    「これから、DV加害者更正教育プログラムを受講する方へ、伝えたいことはありますか?」
    「続けて下さい。とにかく、続けて下さい。続けなければ、理解すべきものが見えてこないです
    とのことでした。
    DVと気付く前、彼も彼で、苦しんでいたことは確かです。
    いつも、
    「ザルみたいに
    何でも通してしまうのに、奥さんの言動でフィルターに引っかかるものがあると許せなくて、爆発しちゃう。自分でも、どうしたらいいのか分からない」
    と、言っていました
    だから、私は言動により一層注意して気配りしていたのですが・・・それはほとんど無駄な努力でした。
    どう頑張っても、彼の爆発は免れなかったからです
     

    「理想の自分がいて、ホントの自分もいる。二つの間には、どう頑張っても埋められない距離があって、いつもホントの俺はこんなもんじゃないって、思ってた」
    彼の最近の言葉です
    「理想を持つことは素敵だけど・・・それがどうして、DVにつながるの?」
    私は、聞きました
    「奥さんには、理想の俺だけを見せたかったし、理想の俺がホントの俺だと思っていて欲しかった」
    「私だけ?」
    「ううん。本当は、ずっと皆にそう見せるようにしていた。でも、奥さんは鋭いところを突いてくるから、余計に鎧をどんどん補強しなくてはいけなくて」
    「鎧で防御していたということ?ホントのあなたを見せないために?」
    「そうだね。理想の自分しか存在してはいけないから。鎧が剥がれそうになると、それを守ろうとDVしていたのかも知れない」
    自分自身を守るためにDVしていたってこと?」
    「防衛手段・・・そうだね。それだけじゃなく、鎧で防御しなくちゃいけないくらい可哀想な俺に優しくしてよ、俺の悲しみを察しろよって、DVしていた面もある」
    私は、じーーーーーーーーっと、彼を見ました
    「な、何?」
    「憧れる自分像が在って、手が届かないから、ジレンマやストレスが生じる、と。で、見てくれだけでも憧れの自分を演出しているのに、実生活で本当の自分が暴かれそうになるから、正当防衛としてDVをしてしまうと。理想の自分とホントの自分の間で苦悩する俺のことを、もっと察して欲しかったのにしてくれなかったからDVした、と。こういう風に聞こえるんですが、それでいいですか?」
    「・・・ほぼ、合っている、かな」
    「質問です。自分自身と闘い、理想に近づく努力はされてきたんですか?
    では、私がこんなのホントの私じゃないーーーーっと、キレて暴れたら寛大に許してくれますか?
    今の私はDVにより、フラッシュバック、PTSDに苦しみ、自殺予防の薬もまだ服用しなくてはいけない状態ですが、あなたに察して動いて欲しいと思うことは一切ありません。私は、異常でしょうか?
    「・・・・・・・・」
    彼は、静かに黙っていました
    「混乱してきたので、考える時間を下さい」
    「はい、分かりました」
    話は、それで終わりました。
    彼は、まだ私とDVのこと向き合う自信がないそうです
    ですから、私も強くは要求しません。
    正直、私もまた、奈落の底に叩き落されるのは辛いので・・・。
    逃げてしまうのです
     
    DV加害者更正教育プログラムを受講していても、彼の場合は、まだ私に対して特権意識が捨てられません
    まだまだ時間がかかるのでしょう。
    捨てられないから、DVを繰り返すのだということも分かります
    しかし、これだけは言えます。
    彼自身が言ったように、DV加害者であると、自分のことを受け止めることが出来たのは、DV加害者更正教育プログラムのおかげです
    毎週、毎週、繰り返し繰り返し、辛抱強く導いて下さる、講師の方のおかげです
    彼が受講希望者の方に発したメッセージは、彼自身も受け止めなくてはいけないものでしょう
    「続けて下さい。とにかく続けて下さい」
    特権意識を手離し、対等な関係のコミュニケーションを獲得し、私達と再び住むことを信じて、努力を続ける彼
    頑張って下さい・・・としか、言えません。
    一言だけ、言わせて下さい。
    やめようと思った時の理由が、自分がひどい奴だと分かった時って・・・・
    また自分っスか
    そう思うなら、余計にやめずに頑張ろうと思ってぇーーーーーーって、そう思い直したから続けているのでしょうけど。
    DV加害者のキーワードはいくつかありますが。
    しみじみ我が家の場合は「自分です










    DV加害者更正教育プログラムが、紹介されていました

    • 2009.08.28 Friday
    • 12:18

    昨日、NHK名古屋放送局で、夫の通うDV防止教育センターが紹介されていました
    DV加害者更正教育プログラムが、どのように行われているのか、講師の方も出られて、様子が流れました。
    取材されたNHKの方が言ってみえました。
    「プログラムには、即効性はありません
    加害者男性は、これから相手を思いやるということを、少しずつ少しずつ学んでいきます」
    ああ・・・その通りだよなあ・・・と、思いました
    彼と同居している時は、彼に対して、とにかく早く何とかなってっ!!と、気が狂いそうになるまで思い願う時もありました
    しかし離れている今は、とても冷静に頷くことができました
    報道されたその日のDV加害者更正教育プログラムは、怒りのコントロールを学んでいるところでした。
    怒りをぶつけていいと思うから、加害者は平然と八つ当たりをするわけですが、相手を尊重する気持ちがあれば、自分の怒りをどうしたらよいのか、相手に当たらない方法はあるか、考えるはずです。
    加害者男性は、自分が怒りを感じるポイントをチェックしたり、書き出したりしていました
    そのことを感じたら、どうしたらよいのか、講師の方に導かれながら考えているようでした。
    次回は、夫婦の関係について学ぶそうです。
    加害者男性は、夫婦関係を上下関係と考えているわけですから、難しいテーマだろうなあ・・・と、テレビを見ながら思いました
     
    「自分の中で、殴ったり蹴ったりすることはやってはいけないという思いはあるんですけど、それ以外は、何をやってもいいというところがあり、自分の描くストーリー通りにいくようにやっていました」
    加害者男性の言葉です。
    講師の方が聞きました。
    「暴力で怖がらせて、何処にも行かせないようにすることは、相手を人間として見ていますかね?」
    加害者男性が答えます。
    「見ていないですね」
    講師の方が聞きます。
    「では、何でしょう?」
    加害者男性が答えました。
    「自分の思うように動く・・・前に言われたことがあるんですけど、”私は、あなたの人形じゃない”って。自分が優位にいないと、離れていってしまう気がしてそうせずにはいられなかったんです」
    講師の方が言われるには、加害者男性は、まだ相手をコントロールしたいという欲求が中々手離せないでいること、同時に、上下関係ではない夫婦像のイメージを抱くことができない状態のようでした
    もうすぐ一年通うことになるという、加害者男性で、こうなのですから・・・
    DV加害者が更正する道のりは、時間が掛かるのですね・・・
    NHKの方の説明によると、他国では、DV加害者更正教育プログラムを義務つけて、更正の効果が出ているそうです
    日本でも、そのことに注目はしているそうですが、まだ計画が進んでいない状態だそうです。
    日本で、DV加害者更正教育プログラムを開講している所は、全国で6箇所あるそうです。
    すべて民間団体とか
    NHKの司会の方が、
    「そんなに少ないんですか?」
    と、驚いてみえましたが、行政へのDVの取り組みが遅れている証だと感じます
     
    自分が被害に遭い、一番悔しい思いをしていることは、心身がままならないことです
    周囲に言われます。
    「とにかく自立が一番、経済的に自立しなさい」
    「働きなさい、金を稼げば自信もついて、絶対に身体も良くなるから」
    理屈は、分かります。共働きの時期もありましたから、自分で働き稼ぐということが多くのプラス面があることも知っています
    でも、働けないのです。怠けているのでも、甘えているのでもなく、体がどうにもならないのです
    打たれ弱い精神が、新しい人間関係を恐れてしまいます。これ以上、傷ついたら自分がどうなるのか・・・怖くてたまらないのです。奈落の底に陥ることをあまりにも経験し過ぎていて、境界がうまく張れなくて、何もかもが怖いのです
    DV防止教育センターの講師の方が、アメリカの施設のことを教えて下さいました
    ラファエルハウスと呼ばれる、大きな被害者支援団体があるそうです。多くの企業が支援しており、学生向きのDV啓発雑誌を発行しているそうです。
    そこの清潔で綺麗なシェルターの地価倉庫にはあらゆる生活用品が揃い、スーパーから賞味期限間近ではありますが、食料提供もされているそうです。
    「傷ついた人は、最高の環境で癒されるべき」という思想のもと、子供のためのプログラムもあるそうです。
    シェルターを出た方々はステップハウスというマンションのような所に移ります。
    そこでカウンセリングを受けたり、生活相談を受けたり、子供のためのプログラムも持続して受けられるそうです。
    そうやって、次の生活のための力をつけていかれるそうです
    ワシントン州のNPO団体は、裁判所に併設されており、被害者が駆け込めばその日のうちに書類を作成し裁判所に送り、その日のうちに保護命令が出て、被害者は安全を保障されるそうです。
    そして、母子共にケアを十分に受けることができ、心身の傷を癒してから、次の生活へと旅立つことができるそうです
    夢のような話ですよね・・・。
    日本では、本当に御伽噺だ・・・と、思いました。
    しかし、とても驚いたのです
    「この州でも、少し前は、DV被害者はホームレスになるしかない状態だったんですよ」
    講師の方の言葉に、絶句しました
    希望は、抱かなくなった瞬間、砕かれます。
    希望だけは、抱き続けようと、思いました
    「傷ついた人は、最高の環境で癒されるべき」
    そんな風に思い活動をされている方々がみえることを知っただけでも、感謝で胸が熱くなりました
    許された気がしました。
    傷ついたことは、罪じゃないんだ・・・って。
    癒されていいんだって、そのことを本当は優先していいんだって・・・。
    中々そのことが叶わない状況だったりしますが、少しでも優先していきたいですね





    恐いと彼が語るとき DV加害者の言い分

    • 2009.12.13 Sunday
    • 12:01

    今日は、昨日の出来事を書きます
    DV加害者更正教育プログラムを受講して帰宅した彼は、子供が寝ると、話したいことがあると言いました
    今日受けたプログラムの内容について、話を始めました
    彼は、今、職場で行き詰っています
    仕事を順調にこなすことができずに、何度も上司から注意を受け、何とかしなきゃ、何とかしなきゃと、焦っています
    以下、彼の話の要約です

    昔働いていた会社のパワーハラスメントトラウマから「上司」という存在そのものに恐怖心を抱き、委縮してしまうため、仕事そのものに集中できない
    「何か言われるんじゃないか?怒られるんじゃないか?」
    と、怯えているから、いつもビクビク仕事をしてしまう
    これは、上司に質問しなくちゃ分からない・・・とか、確認しないとヤバイ・・・と、気付いてもう出来なくて、そのまま放置してしまったり、勝手に進めてミスして、後からバレて叱られたりする。その繰り返し・・・
    仕事を忘れないようにメモしたり、ポストイットに貼ったりしても、それを確認するのを忘れて、また叱られる
    帰宅する前に机の上のモノを整理できればいいんだけど、何か叱られるんじゃないかと恐くて、グチャグチャのまま引き出しにしまって帰宅して、大事な仕事を忘れて、後でバレて叱られることもある
    叱られても叱られても、どうにも出来ないのは、昔働いていた会社のトラウマが大きいと思う
    その会社では、クレーム処理もやらされて、大変で大変で本当にキツくて、でも自分で対応するしかなくて
    ある時、プッツン切れて
    どんなにクレームが来てもお客さんを放っておいたら、そのお客さんが諦めて何も言わなくなったんだ
    それを経験して、ああ・・・放っておけば事態は何とかなるんだな・・・と、学習してしまったんだと思う
    また、小さい頃、分からないことを質問して、「そんなことも知らないの?」と馬鹿にされたことで、傷付いたことが忘れられない
    だから、質問することも恐いんだ
    それと、何でも自分でやれ、何とかしろって、育てられたような気がする
    だから、自分一人で対処するのが当然っていうか、人に頼ってはいけないという考えが強いんだと思う
    そういう考えも根底にあって、質問できないし、確認するのを躊躇うんだと思うんだ
    今日のプログラムでは、講師に、
    「トラウマに逃げていませんか?責任転嫁していませんか?」
    と、言われたけど・・・自分では、イマイチ納得できなくて・・・こうして話しているんだ・・・

    私は、質問をしました
    「上司には、いつも何て、叱られているの?」
    「何でも分からないことは聞いてって。それから、責任を背負うのも上司の仕事なんだから、全部自分一人でやらなきゃって、思わなくていいって」
    私は、もう一つ質問しました
    「具体的に、アドバイスを貰ったりもした?」
    「帳簿と在庫の確認が一番大事だから、一日一回でも在庫を見てって。一度は、上司自ら俺を連れ出して、一つ一つ在庫を確認しながらアドバイスしてくれた」
    「で、それを実践したの?」
    「月の半分くらい、したよ」
    「毎日じゃなく?」
    「だって、他に優先しなきゃいけない仕事あったし。時間もわざわざ作らないと取れなかったし」
    私は、彼の少しふてくされたような様子を見ながら、とてもとても不思議に感じることを聞きました
    「あのさ・・・”上司”が恐いんだよね?」
    「そうだよ」
    「私は、とても不思議なのですが。どうして、恐い”上司”の言いつけを一番最優先にしないでいられるの?在庫確認、毎日実践しないでいられたの?」
    私は、腕組みをしながら、唸りました
    「私には、信じられない。恐いなら、他を犠牲にしてまで、その人の指示を最優先にするよ。また怒られるの嫌だもん。恐いもん。
    そんなにビクビクして不安でいっぱいで仕事に集中できない状態なら、尚更、何でも言うこと聞いちゃうよ。何か言われたら、すぐに謝っちゃうし、すぐにその人の言う通りにしちゃう。だって、恐いもん」
    DV被害者は、DV加害者が「恐い」です
    「恐い」からこそ、コントロールされていきます
    人間関係において、「恐怖」が介在する時、そこには支配・被支配の関係が成立してしまうのです
    「むかつく相手だったり、尊敬できない相手なら、”だぁーれが、言うこと聞くもんか”って、なるだろうけどさ。”恐い”なら、私はそうなるなあ・・・だから、とても不思議なの」
    私の言葉に、彼は、眼をまん丸にしました
    先程までの少しすねたような態度は消え、彼は、呆然としながら呟きました
    「・・・本当だ・・・そうだよね・・・恐いなら、言うこと聞くよね」
    「う〜ん・・・”恐い”気持ちもあるんだろうけど、あなたの中で、それでも言われたことに対して、選択できる余裕はあるように思う。”聞く”ことはできても、聞き入れる”ことはできないって、感じ。
    私の想像だけど、何で俺が、そんな面倒くさい”と思ったことは”聞き入れない”とか。選んでいるように感じる
    私は、彼の眼を見て、言いました
    DV加害者更正教育プログラムの講師の方は、正しいよ。逃げて、責任転嫁していると、私も思う」
    彼の眼が潤みます
    私は、容赦なく言葉を続けました
    「でも、いいんじゃない。逃げたかったら、とことん逃げれば。
     その代わり、私が薬を倍に増やして、働きに出るから、家事・育児しっかりやってよ」
    「そんな・・・ダメだよ、薬を倍にする何て・・・
    「じゃあ、別れてあげるから、ご両親の元へ晴れて”息子”だけになって帰りなさい。父親としての責任も、一家の大黒柱としての責任からも解放されて、楽になるでしょ」
    「そんな・・・親の方が早く死んじゃうもん。一人ぼっちになるもん
    「一人で、自由気ままでいいじゃん。何の責任もないし。逃げても誰にも何も言われないし。あなたの望む生き方でしょ?」
    「嫌だ、そんな生き方は、嫌だ。逃げちゃダメなんだ。ちゃんと気付いたから、頑張るから!
    だ、そうです

    これらの会話がすべて終わってから、彼は、はにかんで微笑みながら、
    「また、DV防止教育センターの講師に怒られちゃうなあ・・・」
    と、呟きました
    「奥さんは、”まだ心身症が重く、心配を掛けてはいけない状態なのですから、仕事のこういう話は聞かせないであげて下さい”って、言われたばっかりなんだ、今日」
    テヘッと、笑う彼に、私は眩暈がしました
    DV防止教育センターの講師の方のお気遣い、お優しい思いやりに、涙が出そうになりました
    私は、正直に言いました
    「うん。すごっい、しんどい。辛い。今も、張り詰めた神経で、背中がガチガチで、首が一気に凝って、もげそうに痛い」
    「ご、ごめんね・・・
    「私も、トラウマと闘っているんだよ。あなたが不満そうだったり、不機嫌な雰囲気を少しでも漂わせれば、”話を聞いて”と言われれば、こうして聞かずにはいられない。聞かなければ、また何かが起きるんじゃないかと恐くてたまらない
    「ごめんね・・・
    「うん。でも、話してくれてありがとう。DV加害者更正教育プログラムで、そういう話もできるようになったんだと、教えてくれてありがとう。これで、もうこの話は心配したり、聞かなくていいんだって、安心した」
    「本当にごめんね。ありがとう
    これが、昨晩の出来事です

    しかし・・・すごいですね。
    振り返って書いてみて、彼の言葉に「・・・・・・」
    あくまでも、「自分」という感覚。
    あくまでも、「オレサマ」という意識。
    あくまでも、「僕は悲劇の王子様」という陶酔。
    これらが伝わりました。
    それでも、DV加害者更正教育プログラムのおかげで、話す・聞く。
    話す・少し、聞き入れるというコミュニケーションは出来るようになりつつある・・・と、思うのですが。
    道のりは、まだまだ長そうです

    今日も読んで下さり、ありがとうございました
    今週は寒くなるそうですので、皆様、お体お気をつけて下さいね


    彼の変化 DV加害者更正教育プログラム一年経過して

    • 2010.01.14 Thursday
    • 12:07

    アドラー心理学の本に助けられながら、アレコレ色々考えてきました
    心療内科で薬をもらい(今は診察は1ヶ月に一度です)、DV専門のカウンセリングを受けながら(今は3ヶ月に一度くらいです)、自分が今どうなっているのか感じつつ・・・少しでも快復したくて、ジタバタしています
    休養が一番だとは理解していても、死神に囚われるのが怖くて、少しでも「生きる勇気」を取り戻したくて、ジタバタしてしまいます
    で、パートナーである、夫は?というと・・・。
    DV加害者更正教育プログラムを受講して、一年が過ぎました

    DV加害者更正教育プログラム自体を私は経験したことがないので、内容は書けなかったのですが
    プログラムを受講した夫の変化を綴り、そのことがDVに苦しむ方々の希望になれば・・・と思った時期もありました
    しかし
    私がブログに彼のことを書くと、彼が勘違いをしてしまう時期がありました
    「俺、もういい感じ?ゴール間近?
    と、奢ってしまい、
    「俺、こんだけ頑張っているじゃないか」
    と、また、威圧をするようになったり
    「俺、もしかして、トラウマを克服する過程のヒーロー?
    と、感じてしまい、
    「俺、やっぱりすごい奴みたいだから、奥さんは、もっと敬って尽くしてもいいんじゃないかな」
    と、また、構って欲しいオーラを出したり
    それで、彼の動向の良い変化を綴ることをやめていました
    綴ることをやめたにも関わらず、彼はまだ、特権意識や被害者意識、悲劇の王様意識が抜けず、いっぱい泣いた時期がありました
    もうダメだ・・・別れるしかないんだ・・・と、打ちひしがれ、この一年は何だったのだろう・・・と、悔しさと悲しさのごちゃ混ぜに気が狂いそうになった時もありました

    彼は、自分自身、本当の変化を感じ始めたのは、2009年の12月あたりくらいからだと言いました
    彼の場合、自分でお金をやりくりして、DV加害者更正教育プログラムへ通うということをやり始めたことが、一つのきっかけになったのかも知れません。
    DV加害者更正教育プログラムに通うことは、私や子供のためではなく、自分のためであること。
    自分の責任で通い、自分の問題として向き合うべきことであること。
    これらをようやく、理解し始めたようです。
    「プログラムに、行かせてくれてありがとう」
    と、私だけでなく、子供にも、彼は伝えました(子供には、”パーパ学校”と言っております)。
    私は、彼のその言葉を聴いた時、
    「ああ・・・ようやく、感謝を感じるようになり始めたんだ・・・」
    と、思ったのです
    今までの彼の「感謝」は、私の知っている「感謝」ではありませんでした。
    「感謝」とは「ありがたいと思うこと」です。
    相手の言葉や行動に対して、嬉しいと感じる気持ち。
    思わず感動して、湧き上がるものです。
    しかし、今までの彼の「感謝」は、そうではありませんでした。
    彼の「感謝」とは「労わる」(いたわる)でした。
    「労わる」とは、「弱い立場の人を優しく、親切に扱う」ことです。
    「ありがとう」を欲したとしても、「上から目下の者を扱う」視点だったのです。
    その上から目線だった視点が、ようやく同じ目線になってきたのかも知れない・・・と、感じました。
    また、DV加害者更正教育プログラムに、新しいメンバーの方が入った時。
    前の彼は、
    「新しい人に比べたら、俺は大分成長してきたな・・・」
    と、その方と自分を比べて、自分の方が上だと優越感に浸る傾向がありました
    しかし、最近は、違う感想を語りました。
    「新しく入った人の話を聞いていたら、俺もそうだったなあ・・・って、色々思い出した。同じだったなあって」
    自分のことを省みる傾向が出て来たのです
    また、こんなこともありました。
    私が、
    「新しく入られた方のパートナーの方は、心身の具合はどうなのかなあ・・・」
    と心配していると、
    「大丈夫じゃないかな。色々言われても、言い返せれるらしいから」
    と、彼が言いました
    私は、思わず、
    「言い返せれるから、大丈夫ってことにはならないと思うよ。
    その時は、必死に言い返したとしても、後で物凄いぶり返しがきて寝込むこともあるもの。
    恐怖と闘いながら意見を発しているとしたら、滅茶苦茶エネルギーが要ることだもの。
    それに、言い返したことでDVがひどくなるとしたら、”ああ、あんなこと言ったから・・・”って、自分を責めるきっかけにもなっちゃうし。
    物凄く、お辛いと思う。ましてや、プログラムに通い始めて、とても変化を期待していると思うから、余計に悲しいかも知れない。あくまでも、私の経験からの意見だけど・・・私は、言い返せれるから大丈夫って、考えには同意できないです」
    と、口走ってしまいました
    何故「口走ってしまいました」という表現になるかというと・・・私がDV被害者の立場からの意見を発すると、彼は暗い表情になり、瞬きを繰り返し、
    「そうだよね・・・ごめんね・・・」
    と、私に責められたと感じ、重苦しい雰囲気を発するパターンに移行するからでした
    私は、彼を責める気持ちから発したのではなく、あくまでも客観的に意見を述べたつもりなのですが、こうなると当事者である私達の問題にすり変わってしまい、彼はひたすら過去を悔やみ暗くなり、私も色々思い出し始めて、辛くなるというパターンになっていく・・・という
    最悪の場合は、私が、
    「私も、こうだった!あの時、ああだった!」
    と、彼を罵るような結果になることもありました
    ですが、今回の彼は、違いました。
    「そうか・・・言い返すから、ダメージはないってことはないんだね。まだまだ、俺、理解が足りないね。DVの被害に遭う人の気持ち、まだまだ分かっていない部分がある・・・。奥さんの言う通りかも知れない」
    と、冷静に言ったのです
    そして、
    「奥さんも、言い返した時あったもんね。あの時も、そんなに苦しめていたんだね。本当に・・・ごめんなさい」
    と、頭を下げて謝ったのです
    その瞬間、私の心に・・・初めて、何かが沁みこんだ気がしました。
    カラカラに乾いた砂地に、一粒のしずくが落ちて、スウッと、沁みこんだ気がしました。
    「うん。分かってくれて、ありがとう」
    私も、頭を下げて、お礼を伝えました。

    書いていて、何か・・・おままごとのようなやりとりで、いい年こいた大人が二人で、ペコペコ頭下げて何をやっているんだか・・・ですが
    彼が、「感謝」や「共感」を獲得しようとしている気配をお伝えしたくて、書いてみました。
    それでも・・・私は、まだ・・・彼が怖いです
    そして・・・私は、まだ彼の負の部分が、自分の中に在ることも感じます
    この自分の「今」を受け容れて、「ここ」からどうするか?に取り組むことが、私のこれからのテーマなのだろうなあ・・・と思います
    今日も読んで下さり、ありがとうございました
    よぉーく冷えていますよね
    手や足の指先が凍るようです
    どうぞ、皆様も心身をお大事にして下さいね











    DV加害者更正教育プログラムについて、彼の感想を聞きました

    • 2010.03.30 Tuesday
    • 23:46
    近所のオオシマザクラが、満開でした
    が、この冷え込みで、まるで冷凍保存状態・・・
    カチンコチンに固まり、咲いているように見えました
    それでも寒さにめげずに、咲く花を見つめていると、勇気を分けてもらえる気がします。
    いや、桜も、本音は、
    「やべっ、急に、また寒くなりやがった!
    おいおい、マジかよ?
    さみぃ〜〜〜っ、もう少し待ってから咲けば良かったよぉ〜・・・」
    かも知れませんが

    夫が、先週末受けた、DV加害者更正教育プログラムに、DV被害者の方が、お話に来て下さったそうです。
    夫は、どうしてもお話を聴きたいと強く望み、出かけて行きました

    DV被害者の方は、女性だったそうです
    夫は、その方がお話の途中で、心身症の発作が出るのではないか?と、物凄く心配をしたそうですが、凛とした態度で、10人近くの人数を前にして、最後まで話して下さったそうです。
    その方は、精神的DVにより追い詰められ、どんどん自分を責めて、感覚がおかしくなっていったそうです。
    身体的暴力がなかったため、長い間、DVと気付かず、とても辛い思いをされたそうです。
    たまたま、”DVじゃないか?”と、言って下さった方がみえて、ようやく気付くことが出来て、すぐに逃げ出したそうです。
    離れても、数年は、様々な心身症に苦しまれ、DV被害の深い傷に打ちのめされた時期があったそうです。
    日記を付けて、気持ちを整理し始めるようになり、少しずつ快復し、今は、話すことも出来るようになったそうです

    「みんなからの質問に対しても、丁寧に・・・答えてくれていたよ」
    夫は、とても神妙な顔つきで、感想を話しました
    「とても耳に残った話がね・・・。
    旦那さんと住んでいた住居が、水道を他で使うと、水の出が悪くなるような所だったんだって。
    それで、今でも・・・苦手なんだって。
    水道管の響く音が・・・。
    旦那さんが、シャワーとか使っている時に、手を洗ったり、洗い物をして、よく怒鳴られたんだって。
    それが、必ず、水道管に水が流れる音が響いた後だったんだって。
    その時の恐怖が、今でも・・・忘れられないんだって・・・」
    「うちのアパートとかでも、聞こえる音だね・・・」
    「数年たっても、まだ・・・水を使う度に思い出す辛い記憶があるなんて・・・本当に・・・辛いことだよね」
    「うん」
    「ただ、水を使うだけなのにね。水道の蛇口をひねるだけのことなのに。そんなことになるなんて・・・」
    「うん」
    「それだけ、怖かったんだよね・・・」
    「うん」
    「今日、話を聞いてね・・・物凄く、奥さんと重なる部分が多くて・・・何か・・・本当に申し訳なくて、申し訳なくて・・・」
    「うん」
    「奥さんは、俺の話を聞いて・・・今日の方と、共感できるところあった?」
    「うん」
    私は、深く頷きました。
    「いっぱいある。物凄く、物凄く、共感できるところいっぱいある。でも、言葉にできない部分が多い。その時に、その方が感じた雰囲気とか、微妙な空気とか、部屋に漂う気配とか・・・が、多いもの。
    水道管の話で、一つ、思い出したよ」
    「え?何?」
    「私が、部屋の空気浄化作用があると聞いて、買って、大切にしていた蜜蝋蝋燭。花粉症やハウスダストにもいいからって、あなたと子供のために、毎晩、灯していたのだけれども」
    「ああ、そういえば、灯していたね」
    「ある晩、あなたが、蜜蝋蝋燭を触りながら、ともし火を見つめながら、こう言ったの。
    ”これ、いくら?”
    私が、値段を答えると、
    ”じゃあ、俺も趣味のモノ、もっと、買っていいってことだ。
    奥さんが買った、これが、その値段なら。
    お互い様だもんね”

    私の脳裏に、ともし火の向こうに、冷たい目を向けて、静かに笑みを浮かべる彼の姿が、蘇りました。
    「私は、その時から、蜜蝋蝋燭が・・・使えなくなったよ」
    「・・・・・」
    「だから、その方の”怖い”っていう、気持ち・・・とてもよく分かる。分かるよ」
    「・・・本当に・・・ごめんなさい。申し訳ありませんでした」
    「うん。でも、被害者の方の話を聞こうという気持ちに、あなたがなったことは、私はとても嬉しいよ。ありがとう」
    私は、ペコリと頭を下げました

    DV加害者更正教育プログラムには、様々な方々が、通ってみえるそうです。
    中には、自ら探して、受講される方もみえるそうです。
    夫は、
    「自分から、受けようとして、通う人はすごいと思う」
    と、とても感心しておりました
    「すごいけど・・・ごめん。私は、意地悪な視点も持ってしまう」
    「え?どんな?」
    「自分が、これ以上ひどいことをして、取り返しのつかないことをしたくないっていうか。
    パートナーのためじゃなく。
    自分のために、殴らなくてもいい、コミュニケーションスキルを学びに来ているというか」
    「相手のためじゃなくて、自分のためだっていうの?」
    「私は、会ったことないし、その人は、違うかも知れないけれども・・・。
    あなたのDV加害者更正教育プログラム受講の初期段階って、100%自分のことだけ!だったもの」
    「なる程・・・」
    彼が、頷きました
    「確かに、100%自分のことだけ!っていうのは、当たっているかも知れない。
    でも、俺、一つだけ、いつもいつも抱えていたものがあったよ」
    「抱えていたもの?」
    「何で、こんなこと・・・DV行為のことだけど・・・しちゃうのか。
    俺は、どうして、繰り返してしまうのか。
    俺の中に、何がいるのか。
    すごく知りたかったし、教えて欲しいと、ずっと思っていた」
    自分でもどうしたらいいのか、分からなくなる
    加害者でも、そういう境地に陥ることがある
    それが、DVなのだと、彼に教えてもらいました。

    DV防止教育センターの講師の方が、しっかりとサポートして下さるとはいえ・・・
    男性の前で話すことが、どんなに大変で辛いことか・・・
    DV被害に遭いながらも、その経験を善い方向に生かし、前へ進んで生きておられる方の存在を教えてもらい、とてもとても勇気付けられました
    その方に、心から感謝申し上げます

    今日も読んで下さり、どうもありがとうございました
    明け方、メチャクチャ冷える日々が続いておりますね
    どうか、くれぐれも心身お大事になさって下さいね









     

    DV加害者の変化 妻である私から感じること

    • 2010.05.02 Sunday
    • 22:32

    が、今回とても不調に陥った原因は、トラウマの発症が大きいです
    そして、トラウマを発症させた直接の原因は、他の人であっても
    もともとのトラウマを形成した張本人は、夫、その人であります
    では、夫、その人は、私のこのような状態を見て、どうしているのか?
    どう感じているのか?
    どのような対応をしているのか?
    について、綴りたいと思います

    ほんの2ヶ月前ほど前までの彼は、
    「それは、辛いね」
    「そんなこと言われたら、嫌だよね」
    「話を聞くぐらいしかできなくて、ごめんね。でも、どんな話も、気持ちも聞くから話してね」
    と、一生懸命、私の話や気持ちを受け止めてくれていました
    そして、私を少しでも休ませようと、週末は、半日から数時間、子供を連れて遊びに出掛けてくれていました
    それでも、私は・・・辛かったのです
    何故かというと、彼の心の声が聞こえたからです
    「何とかしなきゃ、俺・・・離婚されちゃう」
    「奥さんが、これ以上悪くなったら、家族でいられなくなる」
    「俺が頑張っているって、見せなくちゃ」
    「俺がいなくちゃダメだって、思ってもらわなくちゃ」
    「俺がいて良かったって、もっと感じてもらわなくちゃ」
    「俺が必要だって、もっともっと思わせなくちゃ」
    彼から聞こえる、
    「俺が」
    「俺が」
    「俺が」
    「俺が」
    に、押しつぶされそうでした
    彼は、もう許容範囲いっぱいいっぱいなのだろうなあ・・・と、感じていました
    病身の妻を持つ心優しい「夫」という立場も。
    幼い子供を持つ良き「父親」という立場も。
    お金を稼いで当たり前という「成人した社会人」というイメージも。
    経済的に支えるという「家長」としてのプレッシャーも。
    結婚生活を円満にやり過ごす、もしくは、世間から後ろ指さされない家庭を築くという「家庭人」としての理想も。
    彼には、すべてが重たい荷物なのだろうなあ・・・と、感じました。
    私は、彼からのプレッシャーで押しつぶされそうでしたが
    彼は彼で、自分のイメージ像や理想像のプレッシャーに押しつぶされそうになっていたわけです

    私は、ある日。
    彼のプレッシャーに耐え切れず、
    「私や子供のために、あなたがこれ以上しんどい思いをするのは、申し訳ない」
    と、伝えました
    離婚されると警戒し、みるみる表情を変え、怖ろしげに目の色を変える彼に
    私は、淡々と言葉を続けました
    DV加害者更正教育プログラムを受講しても、あなたが、私への基本的な態度を変えられないのは、もう・・・あなたの許容範囲を越えてしまっているからだと思う。
    とにかく、今まですごく頑張ったよ、すごいよ、すごいことだよ。
    でも、私が相手では、あなたは・・・もう、DV関係をやめられないようになってしまっているのだと思う。
    DV関係をやめたいけど、やめられないんだよ。
    もう、あなたの限界を越えているのだと思う。
    別れよう。
    私や子供のために、あなたが、頑張れない限界まできているのに、それでも頑張り続けることをこれ以上見届けることは、辛いです」
    「・・・別れて、どうやって、生活していくの?」
    「あなたには、迷惑掛けないようにするよ。
    これ以上負担を掛けられないもの。
    大丈夫、何とかなるよ。
    シェルターに逃げて、それからのことは、色々教えてもらうよ。
    今まで、あなたと子供を引き離すことが辛くて躊躇っていたけど・・・何年かたてば、会えるようになるかも知れないし。
    今のあなたの方が、大事だよ。
    それに、その方が・・・私自身も、スッキリ出来る気がするし」
    私の言葉に、彼は、泣き出しました
    ああ・・・また、泣き落としで、別れたくないとか、今度こそ変わるから・・・とか、言うのかなあ?と、ぼんやり思いました
    でも、違いました
    彼は、涙を拭い、キッパリ言ったのです
    「俺、勘違いしていた。すごく、勘違いしていた」
    「?」
    首をかしげる私に、彼は、言葉を続けました
    「俺、そこまで思ってくれている何て、全く、気付いていなかった。
    俺が今までやってしまったひどいこと・・・それへの執念から、俺のそばにまだいるんだと思い込んでいた。
    俺、試されていると思っていたし、俺がヘマしたら取り返しがつかないと思っていた。
    俺は、奥さんに、一生掛けて、貢いで償って癒して、それこそ服従しなくちゃいけないくらいに思っていた」
    「ばっかじゃない
    思わず本心から、私は、この言葉が出ました
    「そんな女王様、なりたくないっつーの。
    そんな関係望んでいないって、何度も伝えたじゃない。
    人の話を聞かないんだから〜。
    そりゃあ、男前で優しくて包容力のあるボディーガードとか、優秀で美形でクールだけど実は、情に厚い執事とか、憧れてはいますよ、空想の世界では、いくらでも
    でも、本当にそんな相手がいいなら、あなたと結婚していません。
    不器用でも真面目さがあって、怖がりでも人に優しくしたいという気持ちがある、そのまんまのあなたを選んだのだから。
    あなたが限界だというのならば、それでいいんだよ。
    私達といることが限界なだけだから、また一人に戻って、新しい人生作っていけばいいんだよ」
    「いやです、それはいやです。他の誰でもない、奥さんと子供と、人生を作りたい。
    新しい、服従関係じゃない関係を築き上げたい。
    肩に無駄な力の入らない、緊張や不安を強いることのない関係を作りたい」
    「・・・肩に、無駄な力を入れているのも、緊張や不安を感じているのも、あなた自身の問題なのですが・・・?」
    「だから、俺は、もうそんなことをやめる。やめてみせます!
    限界何かじゃないよ。
    そういうことやめれば、いくらでも余裕が出来るはずだよ。
    誰かのために、何かをするってこと、まともにやったことない気がする。
    ずっと人の目ばかり気にして、よく見られたいから、真面目にやったり、優しくしたりしていた。
    そうじゃなくて、俺、奥さんや子供のために、真剣に働くし、出来ることは何でもしたいと思う。
    今、すごくそう思った。
    だから、一ヶ月、チャンスを下さい!!」
    ガバッと、頭を下げる彼を
    私は、ジッ〜〜〜〜〜〜〜と、見つめました
    まあ、一ヶ月延ばして・・・その時、また考えようと、
    「はい」
    と、コックリと頷いたのでありました

    で、一ヶ月過ぎました。
    病身の私のストレスを少しでも減らそうと、家計を助けるべく、彼は、仕事の他に、アルバイトも始めました
    私が、今回のトラウマによる発症を起こした時は、私の話に耳を傾けるだけでなく、
    「奥さんをそうしてしまった、もともとの原因は、俺なんだ。
    本当に、ごめんなさい。
    辛い思い、いっぱいさせてしまっているのに、それでもまだ、そばにいてくれて、本当にありがとう」
    と、頭を下げながら、言葉を添えてくれるようになりました
    最初は・・・・・・悲しいですねえ・・・
    私自身、彼のすべてを信じることが出来なくて。
    別れたくない一心で、パフォーマンスしているのかな?と、思ったりしたのです
    が、確かに。
    無駄に肩に力を入れない雰囲気に、なってきています
    「こう見られたい」
    「こういう人だと思われたい」
    という威圧が、少しずつ消え、明るくなり、喜怒哀楽がストレートに出せるようになったように感じます
    また、週末一緒に過ごした後、子供が寝入ってから、
    「今日の俺で、嫌な思いをしたことはなかった?」
    と、聞いてくれるようになりました
    他にも、
    「今日、こういうことがあって、子供にこういう対応を取ったんだけど、奥さんは、どう思う?」
    と、意見を聞いてくることも増えました
    彼は、私のブログを読んでいるのですが、以前は、コメントを寄せて下さる方々に、
    「みんな・・・本当に大変なのに、優しいね・・・」
    と、涙目になりながら、呟いておりました
    最近は、
    「うわ・・・このコメントに書かれている男性の言動・・・俺、顔から火が出そう・・・うわ・・・俺そっくり・・・」
    と、落ち込むことの方が多いです
    多分、以前は、
    「俺は加害者と奥さんに定義づけされているけど、俺だって、本当は被害者」
    と、思っていた部分があったのだと思います
    最近は、そうでなくなっているのかも知れません。
    彼自身を客観的に見ることが出来るようになっているのでは?と、感じます

    DV加害者更正教育プログラムを諦めずに、続けていて良かったね・・・と、思います。
    DV防止教育センターの講師の方、受講生の皆様、どうもありがとうございます

    それでも、切ないですね
    彼が、グングン明るくなり、人生が楽しくなってきて、呼吸も軽やかになると、幸せそうに笑うことは嬉しいのに。
    DV行為が、見違えるほどに減り、私を尊重し、思いやる気持ちを向けてくれるようになったというのに。
    私は、まだ辛いままなのです。
    彼が、まだ怖いままなのです。
    生きることが、苦しいままのです。
    う〜ん・・・何か、理不尽のような・・・
    色艶よく、幸福そうな彼を見ていると、いいなあ・・・と、思う時があります
    最近、写真撮られるのも嫌なくらい、顔色悪い、顔つき暗い、妙に影が薄い感じの私ですので、どんどん心身ともに健康になっていく彼を見ると、純粋に羨ましかったりする時があります
    でも、前の彼よりも、ずっとずっと、今の彼の方がいいので
    結局は良かった・・・と、思うのです

    今日も読んで下さり、どうもありがとございました
    体調は、まだ辛いですが、お日様の下に出ると、夜の寝つきが良くなるので助かります
    心配して下さり、本当にありがとうございます
    どうかどうか、皆様も、くれぐれも心身ご自愛下さいね
    本当にありがとうございます













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