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- 2018.01.05 Friday
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評価:
![]() 新川 和江 角川春樹事務所 ¥ 714 (2004-03) コメント:女性へのエールだけでなく、誰もが抱える息苦しさを強くしなやかに代弁して下さっている気がします。 |
評価:
![]() 新川 和江 童話屋 ¥ 1,313 (1997-10) コメント:有名な詩が題名になっています。どんな人間も無限の可能性を持っている個人なのだと、改めて伝えて下さいます。 |
私がようやく、DV被害に遭っていると気付いた後。
色々な行動を取ったのですが。
その中で、何度も救われる思いと、打ちのめされる思いと、交互に様々なことがありました。
これからも、それは続くでしょう。
半年くらい前、モグラ叩きのように叩きのめされ、涙しながら呆然としている時。
突如思い出し、どうしても読みたくなった、一遍の詩がありました
(中学生か、高校生か。
忘れてしまいましたが、教科書か、国語の資料集に載っていた詩です。
最近は、国語の授業に取り入れられたり、合唱で歌われたりしているそうです)
駆られるように、図書館に走り、探しました。
見つけた時は、夢中でその場で読み、すぐにノートに書き写しました
「わたしを束ねないで
新川和江
わたしを束ねないで
あらせいとうの花のように
白い葱のように
束ねないでください わたしは稲穂
秋 大地が胸を焦がす
見渡すかぎりの金色の稲穂
わたしを止めないで
標本箱の昆虫のように
高原からきた絵葉書のように
止めないでください わたしは羽撃き(はばたき)
こやみなく空のひろさをかいさぐっている
目には見えないつばさの音
わたしを注がないで
日常性に薄められた牛乳のように
ぬるい酒のように
注がないでください わたしは海
夜 とほうもなく満ちている
苦い潮(うしお) ふちのない水
わたしを名付けないで
娘という名 妻という名
重々しい母という名で しつらえた座に
坐りきりにさせないでください わたしは風
りんごの木と
泉のありかを知っている風
わたしを区切らないで
,(コンマ)や. (ピリオド)いくつかの段落
そしておしまいに「さよなら」があったりする手紙のようには
こまめにけりをつけないでください わたしは終わりのない文章
川と同じに
はてしなく流れていく 拡がっていく 一行の詩」
ふりがな部分は、読みやすいように私が()で、ここでは付けていますが、本来はありません。
この詩を夫も読みました。
彼は、
「二番目の・・・わたしを止めないで、の部分が、すごく読んでいて辛い。読めば読む程、奥さんのことかな・・・って、感じてくる」
と言いました。
私は涙ぐみながら、黙って頷きました。
当時の私は、心ごと突き刺され、彼の足元に這いつくばされているような気がしていたからです。
詩の力は、大きいと思いました
私は、誰かに代弁してもらった気持ちと、その気持ちをとても美しいものへ浄化してもらった思いと、自分の本当の望みを教えてもらった気がしました
彼は、詩の言葉により、DVという暴力のイメージが見え始めたようでした
素晴らしい詩をありがとうございます